Colors of Heart ~7色のハート~
そして、暴れ甲斐があるなと相槌を打つ。
息を潜めて、倉庫の様子を伺う。
暫らくしてシャッターが開くと、銀蘭の制服である紺の学ランを着た奴らが中から数人出て来た。
「行くぞ」
短く告げたと同時にオウスケは倉庫に向かって駆け出していた。
中学の時は短距離の選手だったというオウスケのスタートダッシュは見事なものだった。
「おい、一応、仲間を呼んで来てくれ」
俺は後ろを振り向き、影に隠れていた1年に指示を出すと、オウスケを追って駆け出す。
その時にはすでにオウスケの跳び蹴りが見事に相手の背中にヒットしていた。
3人いた内の1人が膝から倒れた。
「お前、何・・・」
残った2人がオウスケに気付き、声を上げる前に、今度は回し蹴りが炸裂。
2人共、アクション映画の悪役のように後ろに倒れた。
勢いついたオウスケはそのまま倉庫の中に踏み込んで入った。
倉庫の前でオウスケに襲われた奴らを伺った。
3人共、白目を剥いて気絶してた。
たぶん、パシリの1年が見張り役を任されたんだろう。
見るからに弱そうだった。