Colors of Heart ~7色のハート~
1・2・3・・・さっと数えても相手は10人はいる。
俺はダンボールの陰に隠れて様子を伺う。
ちらりと入り口を振り返った。
応援はまだ来ない。
「おい、山吹(やまぶき)は何処行った?」
唸りながら、オウスケがゴリラに訊ねる。
「うちの頭のことより、自分の心配した方がいいじゃねぇーのか?雷音のオウスケくん」
ゴリラは気味の悪い笑いを浮かべて、オウスケを見た。
ゴリラは余裕だ。
なぜなら、オウスケを囲む奴らはそれぞれ、バットやら鉄パイプやら武器を持っていたからだ。
明らかにオウスケの方が分が悪い。
オウスケの威圧に耐えながら、じりじりと奴らは距離を縮めた。
全員で袋叩きにするつもりらしい。
俺はすぅと息を吸い、叫んだ。
「うらぁあああああ!!」
そのまま突進し、一番近くにいた奴の背中を思い切り蹴飛ばした。
蹴られた奴は鉄パイプを手にしたまま、前のめりに倒れた。
「ぐはっ」