Colors of Heart ~7色のハート~
倒れたそいつは苦しそうに息を吐く。
そのまま立ち上がれないようにそいつの背中に右足を押し付けて、握った鉄パイプを取り上げた。
突然の出来事に、オウスケを囲む輪が崩れる。
ゴリラがくっと歯を食いしばる。
「雷音のツートップが自らお出ましか。何してんだ!相手は2人だ。叩きのめせ!」
手にしたバットを何度も床に叩き付け、叫ぶ。
それが合図になって、オウスケを囲んでいた奴らが一斉に武器を振りかざして、こちらに向かってきた。
その様子を見てオウスケは不敵に笑った。
「大丈夫か?」
オウスケは大の字に床に仰向けになった俺に手を差し伸べた。
むくりと起き上がった。
何発か殴られたものの体に異常はない。
そのままドラム缶に縛られたまま気絶している菊間のロープを解いてやった。
菊間を担ぎ上げると、そのままソファに寝かせた。
地べたに胡坐をかき、パソコンの前に座るオウスケに声を掛けた。
「この惨状、山吹が見たらブチ切れるな」
俺は改めて周りを見渡した。