Colors of Heart ~7色のハート~


ゴリラを含むKIDの奴らは全員、全裸にされてドラム缶にくくりつけられていた。


声を出せないように、口元はガムテープが貼られている。


ほとんど全員が気絶しているので、抵抗する奴は1人もいなかった。

 
「まぁ、その時はその時になったら考えるさ。それより、ヤバイもん見つけちまった。ちょっと来いよ」

 
そう言うと、オウスケはさっきまで操作していたパソコンの電源を切り、学ランの袖で、キーボードを擦った。


そのまま立ち上がり、乱闘の際に崩れたダンボールの山を蹴飛ばした。

 
ひしゃげたダンボールが崩れ落ち、箱の中からビニールの袋に入った白い粉が床に落ちた。

 
「何だコレ、まさか____」

 
「そのまさか、これシャ○だ」

 
手の平サイズのビニール袋が箱いっぱいに詰まっていた。


手を伸ばすと「触るな」とオウスケに制された。

 
「何でこんな所に?」

 
「山吹の親父の仕業だろ?息子が事情を知ってのかは知らないけどな。あいつアホだし」


 
KIDの頭である山吹の親父は輸入会社の社長をしていた。


倉庫の1つを息子に与え、ガラの悪い連中を出入りさせていたのだ。

 
「もしかしたらここは、裏で密輸の取引場所になっているのかもな」


倉庫に積み上げられたダンボールの山を見て、オウスケは冷静に意見を述べた。


< 89 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop