Colors of Heart ~7色のハート~
ゴリラを含むKIDの奴らは全員、全裸にされてドラム缶にくくりつけられていた。
声を出せないように、口元はガムテープが貼られている。
ほとんど全員が気絶しているので、抵抗する奴は1人もいなかった。
「まぁ、その時はその時になったら考えるさ。それより、ヤバイもん見つけちまった。ちょっと来いよ」
そう言うと、オウスケはさっきまで操作していたパソコンの電源を切り、学ランの袖で、キーボードを擦った。
そのまま立ち上がり、乱闘の際に崩れたダンボールの山を蹴飛ばした。
ひしゃげたダンボールが崩れ落ち、箱の中からビニールの袋に入った白い粉が床に落ちた。
「何だコレ、まさか____」
「そのまさか、これシャ○だ」
手の平サイズのビニール袋が箱いっぱいに詰まっていた。
手を伸ばすと「触るな」とオウスケに制された。
「何でこんな所に?」
「山吹の親父の仕業だろ?息子が事情を知ってのかは知らないけどな。あいつアホだし」
KIDの頭である山吹の親父は輸入会社の社長をしていた。
倉庫の1つを息子に与え、ガラの悪い連中を出入りさせていたのだ。
「もしかしたらここは、裏で密輸の取引場所になっているのかもな」
倉庫に積み上げられたダンボールの山を見て、オウスケは冷静に意見を述べた。