Colors of Heart ~7色のハート~


「あいつらは?・・・俺たちがドラム缶に括りつけたKIDの奴らはどうしたんだよ?」

 
「それが倉庫で確保されたのはゴリラだけみたいだ。しかも取引の様子を偶然見たとかで、山吹のオヤジに監禁されたってことになってる」

 
「どういうことだよ、それ」

 
「山吹がそう仕向けたのかもな。ゴリラにそう言うように説得して、他の奴らを解放した。ま、あの倉庫にガラの悪い高校生が出入りしてんのは、近所じゃ有名な話だし、ここまで騒ぎになれば、その内バレるだろう」

 
山吹自体も何かしらに関わってるかもしれないしなとどきりとするようなことを告げ、オウスケはにっと笑った。

 
「これで当分、KIDも大人しくなるだろう。ようやく続いてた闘争に終止符が打てるかもな」

 
その時はそう言って笑い合ったけれど、俺らの考えが安易だったと後々に気付かされることになる_____




その日は珍しく登校していた。


普段、雷音の溜まり場になっている屋上で、昼寝やらトランプやら、それぞれ好きなことをしていた。


見事な秋晴れで、時折吹いてくる風には冬の気配を感じた。


平和な日々。

 
漫画を読んでいた俺の傍らで仰向けになって寝息を立てていたオウスケがぴくりと体を強張らせて、起き上がった。

 
「どうした?」

 
遠くの方を見つめたまま、表情が固まっていたので、訊ねると、

 
「来るぞ」


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