Colors of Heart ~7色のハート~
イチョウの木々の中に山吹たちの姿を発見したらしい。
並木道に先ほどのバイクが停めてあった。
オウスケは両手をズボンのポケットに入れ、ぺっと唾を吐いた。
思い切り睨みを聞かせると、薄ら笑いを浮かべた山吹と対峙した。
「自分の女のこととなると行動が早いな。オウスケくん」
山吹はにたりとキモイ笑みを浮かべながら、オウスケに近づいた。
オウスケはちらりと横目でユズキを確認する。
ユズキは2mくらいありそうなガタイのいい男に口を押えられながら、山吹の後ろに立っていた。
ジャージのまま、恐怖のせいか震えている。
「お前、どういうつもりだ?こんなことして、警察沙汰になったら、お前も終わりだぞ」
殺気をびしびしと痛い程感じるのに、オウスケの声は冷静だった。
オヤジが捕まったのに、こんな公共の場で息子がケンカしてどうするとオウスケは言いたいらしい。
ほとぼりが冷めるまで大人しくしていろと。
「どっかのバカがよ、マッポにチクるようなことしてくれたからよ。ウチはもうメチャクチャなんだよ。マジ、イラついてっからさ、バカの女で遊んでやろうと思ってよー。お前の目の前で可愛がってやるよ」
うひゃひゃひゃと山吹は可笑しな笑い声を上げて、ユズキに振り返った。
今、完全に目がイッてた・・・ヤバイかもしれない。
こいつも○ャンキーなんじゃないか?
嫌な予感がする。