Colors of Heart ~7色のハート~


山吹はガタイのいい男に捕らえられたユズキの頬を撫でた。

 
「オウスケくんは優等生がお好きなんですね?いいね、そのかわいい顔に恐怖が浮かぶのは、そそられるものがある」

 
山吹は頬に伝うユズキの涙を手で拭うと、その指を舐めた。

 
「この変態野郎!」思わず俺は声を上げた。

 
山吹は俺を振り返り、にたりと笑うと、学ランのポケットから裁断用の鋏を取り出した。


ジャキンジャキンと空を数回切ってから、ユズキのおさげを握り、切り落とした。


パラリとユズキの髪が舞う。


口元を押えられ、声の出せないユズキは小さく唸った。


目が見開き、大きな瞳から涙がぼろぼろと流れる。

 
「アハハ・・・いいね、その表情」

 
山吹は腹を抱えて笑う。


ひーひーと呼吸困難になりながら、こちらを振り向いた時、オウスケが素早く、山吹の懐に入った。

 
まずは1発。


オウスケの右ストレートが山吹のみぞおちにヒットした。


山吹は笑い声と共に、後ろに倒れる。


そのままオウスケは山吹に馬乗りになり、今度は両頬を交互にガンガン殴り出した。


拳の勢いに地面に広がる落ち葉が舞う。

 
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