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きっとこんな感じの人なんやって想像するのはかっこええ男の人。

前好きだった人に似せたりとかな。


そんなときバイトから帰ったしんくんから

【電話出来ひん??】

ってメールが届く。


ドキッとした。

初めて声が聞けるんやって。

手にジワッと汗が広がるのがわかった。

携帯に汗をつけながら返事を送る。


【出来るで。わたしもしたい。わたしの番号はコレやで。】


そうやって番号を添付する。

そしたらその数秒後に電話がかかってきた。

知らない番号。

きっとしんくんや。


『も…もしもし??』


「恵子?」


想像しとったのよりちょっと高い声でわたしの名前を呼ぶ。

ワキに汗をかいてるのがすごくわかってた。


『しんくん?』


「そうやで。ごめんな電話いきなりしたいなんて言うて。」


やっぱり想像通り電話でも気遣いのできる人やった。

わたしやって電話したかったのに向こうがしたいって一方的に言うたみたいに言ってくれる。


『いや、わたしも話してみたかったから…。』


「そうなんや。嬉しいわ。」


初めて喋るわたしたち。

まるで初めて高校に行ったとき緊張しながら席の後ろの子に喋りかけるようだったと思う。


その日、2時間くらい話した。

メールで言ってた学校のことを詳しく聞いたり、バイト先の名前を教えてもらったり。

もっともっとしんくんのことが気になるようになってしもた。

声を知ったから。
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