【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
*君を見るたびに
12月も半分ほど終え、凍てつくような寒さに嫌気がさす。
そんな俺の横で呑気に
『雪、降らないかなーっ?』
なんて話すのは幼馴染みの速水 有紗(はやみ ありさ)
寒いって数秒前まで喚いてたのに、雪ってどんな頭してんだよ。
これ以上寒いとか有り得ないんだけど、マジで。
「雪とか死んでもヤダ」
俺がぶっきらぼうに返事をすれば
『樹くんはそう言うと思った』
と、俺を見てニコッと微笑んだ。
たった、それだけで俺は安心するんだ。
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