【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
俺はランドセルを地面に置いて、有紗の隣のブランコに座った。
『ランドセル、汚れちゃうよ…?』
「別にいい」
『そっか…えっと、その…』
「無理に喋らなくて良い」
泣きたいなら、泣けばいい。
叫びたかったら、叫べばいい。
無理なんてしなくていい。
言葉足らずでぶっきらぼうに聞こえただろうか。
怖がらせただろうか。
だけど生憎。俺はそんなに器用じゃない。
『……っ……うぅ………っ』