【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
『ママは情けないほど男好きで、毎日違う人と遊んでるの。私は、小さい頃から家で一人ぼっちだったの。
だから、一度だけ聞いたことがあるの。
───何で私を生んだの?って。
そしたら、そしたらね。ママ……
"気付いたときには手遅れだったの"って言ったの…。私はママにとって邪魔なの…お荷物なの……。
私は、生まれてきちゃ、ダメだったの……』
「そんなこと、あるわけねーだろ!」
あるはずが、ない。
この世に生まれてきたらダメな奴なんているわけがない。
いて良いはずがないんだ。
絶対に。