【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
何もする気が起きず、ただゴロゴロする。
なんで、素直になれないんだろう。
なんで、好きだって言えないんだろう。
なんで、こんなに臆病なんだろう。
なんで、幼馴染みなんだろう。
「……有紗…好きだよ」
目の前にいなければ、こんなにも簡単に言えるのに。
どうして有紗を目の前にしたら、愛しさは言葉とはなってくれないのだろう。
現実から目を背けるように、俺は目を閉じた。