【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
「腹減った……」
そんな理由で目が覚めたとき、時計は10時を示していた。
そりゃ、腹も減るよな。
リビングに行ったら母さんが夕飯を取っておいてくれてるはずだ。
そう思って起き上がると
ピコン、ピコン。
と、携帯が不在着信を知らせる白いランプを点滅させていた。
「…有紗……」
珍しい。有紗から電話なんて。
そう、珍しい。
だからこそ何かが起きたんじゃないかって酷く不安になるんだ───。