【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
『こんなところで、どうしたの?もしかして家出?』
さっきのことなんて忘れたように普通に接してくる有紗。
普通じゃないのは、俺だけ。
髪は緩く巻かれていて。
いつもはほとんどしてないくせに、バッチりと施されたメイク。
いつもより確実に派手な服装。
近くに来たらほのかに香った、香水。
それは甘い匂いを好む有紗は確実につけないであろう、というか確実に男物。
何だよ、有紗。
「男といたのかよ………っ」