【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
俺と有紗の通う高校は県内トップクラスの進学率を誇っている。
頭の良い有紗は誰も止めやしなかったのに中の下のレベルだった俺への反対はそれはもう凄まじかった。
でも有紗と一緒の高校に行きたい一心で猛勉強して見事、俺は合格を果たした。
やれば出来るやつなんだよ、俺は。やらないだけで。
なんて威張ってみても何の意味もないけれど。
「あーあ、クリスマスイブだってのに暇すぎる」
せっかく昼過ぎに学校は終わったのに、既に夕方だ。