【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
そんなことあるはずないのに。
あっていいはずがないのに。
有紗はずっと…ずっと。
あの日から、いやそれよりもずっと前から。
そんな思いを抱えて生きてきたのか?
自分はいらない。必要ない。
生まれてくる意味のない邪魔な存在。
そう思ってたのか。
何で、何で、
───気付けなかったのだろうか。
「お前がいらない子だなんてこと、絶対にないから」
『だって、私はーー』
「捨てられたから、何だって言うんだよ!」