【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
暫く静寂が俺たち二人を包む。
その空気に耐えられず、俺は横目でチラチラと有紗を見ていた。
───付き合えるわけがない。
いつもはポニーテールなのに、寒いと言って今日は髪をおろしてて。
そのせいで、いつもより大人っぽく見えて。
たったそれだけのことで、ドキドキして苦しくて。
こんなに好きなのに、他のやつとなんか付き合えるわけがない。
俺の人生はあの日から有紗一色なのに。