【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
ねえ、樹くん。
「好き、私もずっと樹くんのことが好きでした」
私、頑張ってみるよ。
樹くんを失わないように。
『ほんと……に?』
「やだなぁ、そんな嘘つかないよ」
私が笑うと抱き締める腕に力が入った。
ちょっとだけ苦しいけど、その苦しさが現実なんだと思わせてくれて嬉しかったりもする。
『すげえ、好き。絶対に離さないから』
ど、どうして突然そんな直球に…。
可愛くない私は照れ隠しで
「離さないって、まだ付き合うだなんて言ってないんですけど。付き合ってとも言われてないし」
つい、こんなことを言ってしまう。