【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
ったく…、と樹くんは笑うと
『有紗、俺と付き合ってください』
優しく耳元で囁いた。
それだけのことで堪らなく幸せ。
『返事は…?』
そう聞く樹くんの声はどこか不安そうで。
何でかな?答えなんて分かってるくせに…。
「もちろん!」
静かな公園に私の声が響いた。
少しでも、樹くんの不安が吹き飛んでしまえば良いのに。
そう思って、思いっきり叫んだんだ。
「樹くんが好き、大好きーっ!」