【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
『ところで電話の時お母さんと一緒だったんじゃねーの』
再びブランコに座り直したとき、樹くんが聞いてきた。
あ、そうだった。
「お店の時間だから取り合えず別れたの。私は、今日はサボり」
『ってことは、母親絡みの問題は何一つ片付いてないわけ?』
嘘だろ、と樹くんの目が言っている。
だけど嘘じゃありません。
「でも大丈夫、樹くんと二人なら乗り越えられるからっ!」
樹くんとなら、きっと頑張れるから。
負けないから、私。