【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
『今日はクリスマスイブだ!彼女の願いくらい叶えてやらないとな』
なんて言って、立ち上がった。
「なに、サンタのつもり?」
冗談っぽく言えば樹くんは
『サンタかぁ…まあ有紗限定なら悪くない』
なんてサラリと恥ずかしいことを言って見せた。
かあぁっと顔が赤くなるのが自分でも分かる。
樹くんってそういうタイプ?
恥ずかしくて黙ってると何を勘違いしたのか
『どーせ、ぶっきらぼうで不器用で、ダメなサンタクロースですよ!』
なんて言い出した。