【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~







「ははっ、不器用でも何でも良いよ樹くんなら」





『うるせー、バカ』






あれ、いつもの樹くんに戻っちゃった。


なーんだ、少し残念。




でも、これから色んな樹くんが知れたら良いな。







『雪降れ、降れ降ーれ!』



「え、樹くん!?」




『頼むから降ってくれー!』







サンタになるって言ったのに結局、神頼み?





でも、そんな樹くんが可愛すぎる。






『雪降れー!』




「あはは、頑張れ~」





『有紗も手伝えよ!』





「ヤダヤダ、頑張れ~」






お母さんが私を利用しようとする冬が。

樹くんにお母さんのことがバレないように黙り続けなきゃいけない冬が大嫌いだった。



消えてしまいたいほど、嫌いだった。




でも、これからは樹くんがいてくれるなら冬だって好きになれそう。







『ゆーきーっ!』






ありがとう。

そして頑張れ、私だけのサンタクロースっ!





END**

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