【完・短編】君だけに~不器用サンタクロース~
一斉に俺に集まる視線。
何故か俺の回りにはいつも人が集まった。
だから俺が言えば、誰も彼女に何も言えなくなる。
それを俺は何となく気付いていた。
「何も知らない相手に、しかも相手がいないところで悪口。なに、楽しいの?何がしたいんだよ」
"そう、だよね…"
"樹くんの言う通りだよね"
"私、明日速水さんに話しかけてみよ"
───くだらない。
途端に態度が変わった。
ほんと、何なんだよこいつら。
俺は一緒に帰ろうという友達の声を無視して、ランドセルを持って一人教室を出た。