好きだから......

堕天使だって?バカらしい!

「...ねむい.....」

口をあけて下品なあくびをしているであろう私は、
この物語の主人公、白咲 美桜(しろさき みお)である。
年齢は16歳の高校二年生だ。
よく他人に冷たい人だねとか気取ってるなどとさんざん言われてきた。
まったく、人の気もしらないで....これでもすごく傷ついてるんだからね。
まぁ...この性格は母親譲りだからしょうがないが.....

「ふふ...そんなに口あけてたらそのうち裂けちゃうよ?」

このさりげなく怖いことをいっているのは、私の唯一で一番の親友である、
相川 穂乃香(あいかわ ほのか)だ。
実は元ヤンキー、とても可愛く、今で言うといわゆる"癒し系"である。
結構な毒舌だが.....
こんなに可愛いから告白なんてもうしょっちゅで本人もかなり迷惑だと、この間愚痴っていた
いつもはどんなにうざったい相手でも罵倒を食らわしたいのを抑えて自分の人気のために、 やさしい笑顔で振っている。だが最近はもうでもいいのか平気で相手に

「はぁ?どうせお前も私の顔がいいからってのこのこ馬鹿みたいに告白してんでしょ?
 今度またそんなふざけたこと言ったら.....しばくよ。」

「ひィィ..すみません!!!」

ほーんとこれぞ二重人格だよね、しかも"しばくぞ"って顔に似合わず下品だな。

「ちょっとぉー、きいてるの?」

ぼぉっと考え込んでいたら穂乃香が不機嫌そうに眉を寄せた。

「うるさいよッ!つーか何その顔?超ブサイクなんだけど。」

「あん? つぎ言ったら殺すよ。この童顔が!」

ズキッ、おのれ私の痛い所を!

「はぁ?それはこっちの台詞なんだけど、この元ヤン猫かぶり!」

ブチッ。

やばい、地雷をふんでしまった。こいつに"元ヤン"はNGだった。
しかもブチッて、ぜったいマジギレされる。

「てめーッ....」

くそッ。ここはもう覚悟するしか...

「あッ!穂乃香さまーー。」

「相川さん!今日も素敵ッす!」

ん?なんだ、うちの学校のヘタレどもか。
それより穂乃香、お前まだモテんの?
実は本人が言うには、アレからもっとモテるようになったらしい。
あの罵倒がへタレ達の変態心に火を付け、いまでは

「穂乃香さまー、その美しい唇で変態な僕を罵ってください!」

「.......」

さすがにこんな事を言われてしまえばガン引きして返す言葉も出ないらしい。
だから穂乃香は基本、無視する。まぁこんなのいちいち相手してたら疲れるだろうな。

それより"罵ってー"だなんて、ほんっときもいね。
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