美しいけど冷淡な貴方へ送る花



「名前は。」



文句を言われても、力なく歩く私に呆れたのか
彼は溜め息をついて、
そんなことを聞いてきた。



「村山 恵。(ムラヤマメグミ)」



掠れて、今にも消え入りそうな声で答えた。


「何で狂った。」



言葉の選び方をもっと考えて欲しいと思った。
だけど、間違ったことは言われていなくて、私は答えることが出来なかった。



「あんたのしてたことはくだらない。
何の意味もない。無意味。」



なんで私はこんなことを言われなきゃならないんだろう。



見ず知らずの他人に。


< 30 / 35 >

この作品をシェア

pagetop