片想い協力者は無愛想ヤンキー!?
数分後、お店に到着。
クラスメートの子は優しく微笑みながら席に案内してくれた。
『なんか飲む?』
七瀬君からの問いかけに答える。
『…ミルクティー。』
七瀬君はクスッと笑う。
『好きだね、ミルクティー。前も飲んでた。』
『…今回は私が奢るから七瀬君もどうぞ…。』
机に視線を落としたまま言う。
『じゃあ、御言葉に甘えて。』
そう言うと七瀬君は店員さんを呼んでミルクティーを2個注文した。
七瀬君も…甘いの好きなのかな…。
『前にさー、言ったよね?瑠樹の元カノはケバい子ばっかだって。』
『うん…』
『その中で…一人、まったく違う子が清水あかり。』
きっと七瀬君は私の様子を見ながら話してくれてる。
でも…私は下を向いたまま話を聞いていた。
『きっと、瑠樹の初恋はあの子だよ。あの子、大人しくていつも本読んでそうな子だし…だから興味本位で話しかけた瑠樹は清水あかりの笑顔を見て恋に落ちた。』
瑠樹の…初恋。
『それが確かー…中3ぐらい?瑠樹と俺と蓮夜はその頃ぐらいから仲良くてさ…よく清水あかりの話聞いてたなぁ…かわいいって照れ臭そうに話してた。』
チラッと見た七瀬君は昔の景色を思い出すように遠くを見ていた。
それからミルクティーが運ばれてきた。
ミルクティーを飲んで話を続ける七瀬君。
『それで、席がえで隣になったんだって。瑠樹は色々猛アッタクして…二人は恋人になった。付き合ってからは俺らとも仲良くなって…本当に幸せそうだったよ二人共。毎日わらってた。』
そうなんだ…。
でも…なんで別れたの…??
私の顔を見て七瀬君は困ったように笑う。
『惚れたんだ…清水あかりは俺に。』
『え…?』
惚れた…?
あかりさんが??
『仲良くなってから瑠樹がいないときも結構喋っててさ…でも蓮夜とかもいたんだぜ?二人の時もあったけどな。それである日、喋ってたら告白されたよ。真っ赤な顔して。』
七瀬君はハァーとイスの背もたれに体を授ける。
『フッたんだけどさ、それからしつこく付きまとわれて…で瑠樹は連絡とれなくなったとか言って落ち込んでた。可笑しいよな?彼氏の元には連絡1つもないのにフラれた男には何通ものメールや着信がくるんだぜ?』
ハッと笑う七瀬君。
だけどすぐに切なそうな顔なる。
『で、告白された1週間後ぐらいに瑠樹と二人で街中をブラついてたら清水あかりがさ、男といるところを発見したんだ。』