片想い協力者は無愛想ヤンキー!?


『瑠樹は当然怒って、そいつらの元に行った、(なんで連絡とれねぇんだ)とか(その男は誰だ )とか…。そしたら清水あかり…なんて言ったと思う?』


『なんて…言ったの?』

首を傾げながら聞く。


『(あんた見たいなヤツ、好きになるわけないでしょ。遊びに決まってんじゃない。付き合ってあげた私に感謝しろ)』


思わず目を見開く。


清水さんが…そんなこと…?


『まぁ、そこに居た俺と瑠樹それから見知らぬ男は清水あかりにキレて3人一斉にその場から消えた。それから清水あかりの噂は広間って…瑠樹も吹っ切れてた。女なんか信じらんねぇって言ってたよ。』


瑠樹はきっと酷くショックを受けた。


心から好きだったのに…清水さんのこと。

裏切られたんだから…。


『でも、清水あかりは瑠樹と同じ高校を受けたりして瑠樹を自分のものにしようとしはじめた。清水あかりって令嬢らしくてさ、親を使って瑠樹をなんとか自分のものにしようと必死だった。まぁ…高校になってから好きな子できたらしいんだけど。』



そう言って七瀬君は優しく微笑む。


『美亜里ちゃん…、高校の入学式の日にさ木の上にいる猫を男の子と一緒に助けなかった?』


『猫…?』


うーんと記憶を甦らせる。


『…………あ…。』

『思い出した?』


コクッと頷く。


そう、確かあれは入学式が終わってから。


空が彼氏と電話しているとき、裏庭のベンチに座って待ってたんだ。


近くの木からガサガサ音がして見上げたら小さな白い猫が降りられなくてミャーミャー鳴いてた。


なんとか降ろそうとしてもチビな私はピョンピョン跳ねるしか出来なかった。

その時、一人の男の子が後ろからやって来ていきなり木に登り始めた。


そして困惑する私をよそにどんどん登っていって猫を捕まえると飛び降りた。


『危なーーっ!!』


咄嗟に支える…が。


ストッと着地した男の子。

あ、危ねぇ…転けるかと思った。



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