【続編】裏切りゲーム~最悪な誕生日~
さて一時間でどう裏切ればいいのか、これが最大の問題だ。
オレは今まで裏切りという行為をしたことがない。
自覚してないだけかもしれないけど‥。
きっとこのゲームは何か起こりそうな気がする。
オレ自身にも‥‥。
『腕時計‥どこかに隠さないか?』
周りで誰かに操られたように動き回る人々を見つめながら東上智が言う。
その目は何か哀れな物でも見ているような悲しくて冷たい目だ。
「腕時計?そうか、主催者を捜そうと思ってもこれがあるからすぐにオレの居場所がバレてしまう、だからか?」
『あぁ、君はやっぱり勘が鋭いね。じゃあ、あの体育館壁に置いてあるマットの裏なんかどうだろうか』
そう言ってマットを指差す。
人が行き来しているせいで余り見えないが。
とにかく東上智が言っていることは正しいし、その通りにしなければならない。
そしてオレたちはマットの方へ近づき誰にも見つからないようにこっそりとマット裏に隠した。