【続編】裏切りゲーム~最悪な誕生日~
葵さんは9、オレは11。
良かった、取り替えて正解だ。
そしてついに自分の持っているトランプがなくなった。
「「何枚かで決まるわね」」
「そうですね‥‥」
1枚いちまい丁寧に数えていく。
全部数え終わった後、フッと浅く短い息を吐いた。
この数で決まる‥‥、あれ?主旨が変わってねーか?確か今やってるのは裏切りゲーム。
「「数え終わったかしら?じゃあ先に言っていいわよ」」
「オレは28枚です」
「「私は22枚、残念負けね」」
その言葉に驚きと疑問でいっぱいになる。
「「何?あぁ、裏切ると思ったでしょ?そう見せかけていたもの、でも裏切ると思っていた相手から裏切られなかった。これも裏切りなんじゃないの?」」
「‥え?‥そうですね‥」
自分が裏切ったことへの罪悪感で胸が痛むが葵さんも裏切った、つまり裏切りゲームでは2人とも勝ちというわけだ。
「「あと、私が渡していたプレゼント。あれ真っ赤な嘘だから」」
「え?嘘?」
自分の腕にぶらさがっている袋の中を開ける。
その中には黒の財布が入っていた。
「「誕生日おめでとう、尚人」」