Blind Love
第1章

はじまり

まだ夏の暑さがほんの少し残る10月、
高校3年生の秋を迎えた。


弟の保育園の運動会で、
マーチングバンドのドリル演奏を見て、一目惚れした私は、無理言って中学から女子校に通わせてもらっている。

6年間の部活生活も、あと半年をきった。


中3の終わりからは、部活が終わった後、顧問の先生の車に乗り込んで、一般の団体の練習にも参加させてもらっていた。

ずっと、歳の離れた先輩方の中で可愛がってもらっていた私。

初めての恋は、憧れから始まったけれど、5歳の年の差は、当時の私には大きすぎて長くは続かなかった。



そして、
この夏、やっと私の1才年上の人たちが4人も入団してくれて、
話題もあうし、ひょうきんな人たちだったから、自然に一緒にいることも多くなっていって、
卒業生の先輩の車で送ってもらっていた私に、自転車にのっけてってやるから、一緒に帰ろう。


そう声をかけてくれた人、
それが久米 耕汰〔くめ こうた〕19才

そして、私は日詰 真帆 〔ひづめ まほ〕18才







夜練が終わって、いつもの様に彼の自転車の後ろに座るのも、随分と慣れてきた。

いつもの様に、耕汰先輩の親友の武〔たけ〕先輩と3人で家までかえるはずだったのに、

「ちょっと用があらからさ、俺先行くわ」
って、武先輩は急いで自転車をこいで走り去って行った。

練習場から、私の自宅までは、自転車で10分くらい。
けれど、何故か今日は長く感じる。

いつも3人だから不思議な感じ。
でも、嫌な感じではないし、会話もそれなりに弾んでいた。



『俺がもし、付き合って
…って言ったら、真帆ちゃんどうする?』
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