アロマな君に恋をして
きっと、1年我慢するなんて、本当は苦しいことなんだろう。
さっきと違い余裕のないキスは、私を征服しようとしているかのように、強く激しい。
ごめんね……臆病な私で。
でも、そんな私を受け入れてくれるのは、あなただけだから……
「す、き……よ?」
キスの合間に麦くんの瞳を見つめて、私は荒い呼吸のままで呟いた。
自分から言うのなんて、恥ずかしくて顔から火が出そうだけれど……
今はまだ身体を重ねることができない私には、これが精いっぱいの愛情表現だから。
ちゃんと言わないと、あなたに愛想をつかされてしまいそうで怖いから。
麦くんはそれに応えるように思いきり舌を吸い上げ、私に安心をくれた。
「……今の、痛かった?」
私が眉根を寄せていたからか、麦くんが唇を離してそう尋ねてきた。
「うん……少し。けど、大丈夫。嬉しい」
「……なずなさん」
「――――ん」
その後も飽きることなくお互いの唇を求め続けた私たち。
名残惜しかったけれど唇がひりひりしてきたからとキスを止めた後で、テーブルの上で冷え切ったお粥を見て「ちょうどよかったね」と言って笑った。
夜には熱が下がった麦くんだったけれど、その日はうちに泊めてあげることにして、ふたり一緒のベッドで、手をつないで眠った。