アロマな君に恋をして
「あはは、冗談よ。でもなずなちゃん、羨ましいくらいモテ期じゃない。癒し系年下男子と、やり手のセクシー年上男子……どっちもイケメンだし迷っちゃうわぁ」
「……楽しまないで下さい。緒方さん、休憩どうぞ」
「つれないわねぇ。じゃあよろしく」
緒方さんが店の奥に消えると、私は大きくため息をついた。
そして今さらオーナーに言われたことを思い出し、暴れ出す心臓を押さえる。
さっきのは……告白、だよね。
でも、オーナーが私を好きになる理由が全くわからない。
もっと綺麗で愛想も性格もいい女の人、選び放題なんじゃないのかな……
「どうしよう……」
さっき会ったばかりの麦くんに、今すぐ会いたいと思った。
だからってオーナーのことを相談できるわけはないけど、あの笑顔を見て安心したい。
オーナーは理想がどうとか言ってたけど、そんなの人それぞれでいいじゃない。
私は刺激よりも大きなぬくもりと安心が欲しいの。
だからスパイシーな関係を望むオーナーには、もっと別の人が合っていると思うのに……