アロマな君に恋をして


「んっ……!」


降りてきた唇は、誓いのキスの時よりずっと熱くて凶暴だった。

唇の形がなくなっちゃううんじゃないかと心配するほどに何度も吸われ、舌でなぞられ、息つく暇も与えられない。


苦しいのに脳みそがとろとろで、このまま死んじゃってもいいかな、なんて自堕落な考えまで浮かんでくる。

やっと与えられた息継ぎで私が甘い声が漏らすと、麦くんは我慢が出来なくなったように私の服を脱がせ始めた。

その手つきは十代みたいにあぶなっかしくて、でもそんなに焦っている麦くんが可愛くて愛しい。


私は逃げないよ……あなたが好きだから、たくさん抱き合いたい。


すべてを脱がされ彼も裸になると、麦くんがゆっくり私の素肌を撫でる。

かと思えば敏感な部分に唇を寄せられ、油断していた私は大きな声で喘いだ。


どんな場所でも麦くんに触れられるととてつもない快感が走り、シーツを掴んでも、彼の背中に爪を立てても、私の身体はどんどん熱を持ち、彼を受け入れる準備もすぐにできてしまう。


逢えなかった分、身体も心も麦くんを欲しがっていた。それは麦くんの方も同じだったみたいで……



「……もう無理です。なずなさん」

「いいよ……麦くんをもっと感じたい」

「あーもう、そういうこと言うと今日も持たないかも」



余裕のない彼の表情に、ふふ、と笑っていられたのも最初だけ。

すぐに私は言葉が紡げなくなり、絡ませた指に力をこめるので精いっぱいだった。


その夜は何度抱き合っても足りなくて、私たちはほとんどの時間をベッドの上で過ごしたのだった――。



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