アロマな君に恋をして
「一緒に寝るの、そんなに嫌ですか……?」
「い、嫌っていうか……落ち着いて眠れないし……」
「ドキドキするから?」
「……うん。……って、あ!」
今の、また誘導尋問……!!
抗議するように麦くんを睨むと、彼は微笑みながら布団の中で手を動かして、私の手を探し当てるときゅっと握った。
「なずなさんって強情ですね」
「……だ、だてにあなたより年食ってないんだから!」
だから、どうしたら素直になれるのかわからなくて、こんな言い方をしちゃうのよ……
「そうやって無理にごまかそうとするところが可愛いです」
彼はふわりと笑って、私の手を握る力を強める。
……いつ離してくれるんだろう。
これ以上、私の中にあなたの存在が広がると困るよ……
「なずなさん」
「……何?」
「いや、やっぱやめときます。……何もしないって約束したし」
「……気になるじゃない」
「気になりますか?」
「うん」
「じゃあ、言うだけ言いますね」
そう言ってはにかんだ麦くんの手が、布団の中で一瞬熱くなった気がした。
「……キスしてもいいですか?」