アロマな君に恋をして
「別に無理して彼氏作れとは言わないけどさ、もう少しハリのある生活を送った方がいいんじゃない?一人でもショッピングに出るとか」
ショッピング……か。でも服を買っても着ていくところがないし、そもそも買い物に行くための服がない。
今は何が流行ってるんだっけ、とか考えるのも面倒くさい……
「……別に欲しいものないですし」
「なくても行くの!」
一層目をつり上げる緒方さんの勢いに押され、私は口をつぐむ。
今日の彼女はいつにも増して熱いような……
「……決めた!明日は私とデートよ、なずなちゃん」
「え……」
「お店の前に10時集合!実はうちのお店の周辺って、お洒落なショップが多いんだから」
10時って、午前……だよね。ちょっと早過ぎないですか?
なんて言ったらすごい剣幕で怒られそうなのが簡単に予想できるから、言わないけど……
とりあえず、非常に疲れる休日になりそうだ。
今夜は久しぶりにアロマでも焚いてみる?
からかいだとしても、可愛い男の子からオイルをプレゼントされたんだし。