アロマな君に恋をして
お店が定休日である火曜日は毎週休みで、あとは月二回、緒方さんと相談して好きな日に休みを入れる。
けれど12月の私の休みは緒方さんによって半ば強制的に、最初の週の木曜日と25日に取らされることになった。
24日は火曜日。25日も休んでしまったら連休になってしまうけど、それは緒方さんから私へのクリスマスプレゼント、ということらしい。
ただし、麦くんと過ごすこと。という条件付き。
まあ、それはまだ先の話だからいいのだけど……
12月最初の水曜日の夜、私は自室のベッドの上で体育座りをしながら携帯を耳に当てていた。
ベッドサイドには、ミネラルウォーターのペットボトルを用意してある。だって、緊張して喉がカラカラなんだもの……
「――あのね、明日お休み貰えたの。麦くんのお店が木曜休みだって話をしたら、緒方さんが気を利かせてくれて……」
『ほんとですか?じゃあどっか行きましょう。なずなさん行きたいとこありますか?』
麦くんと一緒ならどこでも……と言いそうになったのを、寸前でこらえた。
この私がそんな恥ずかしい台詞を思いつくなんてあり得ない。
なんなの?これも恋のなせる業……?