さくら降る季節

 しばらくしたら家族で来ていた茜と会い、珠稀と麗と一樹がはしっこの桜の木の下で桜を眺め、とにかく!知っている人の顔がたくさん見れた。

 次第には幸恵と竜司が酒飲み比べをし、健吾はいつものように亜希に話しかけるわで、周りのバカ騒ぎしている人と変わらない状況が目の前に出来た。

 ハァ、ため息を吐く。


「久遠、やっぱり楽しくない?」


 それに気が付いた悠夜が、僕の顔を覗き込んだ。


「……さぁね」

「もう、はぐらかさないでよ。表情と声で不機嫌なことくらい……わかるから」

「だったら!僕もう帰ってもいい?バカ騒ぎしてるだけで僕は全然楽しくないし、帰ってもいいよねっ?」


 立ち上がった僕に、悠夜はクスッと笑った。
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