君がため、花は散りける
だが、どうも怪しすぎる。確かに、自分家の前で人が倒れていたら目覚めるまで介抱するぐらいは有り得るが…
普通なら目覚めた時点で家族に連絡を取らせるか、家に帰らせるか、だろう。
あれ、そういえば…私の荷物は…?
そう思ってから、私は私自身の考えの浅はかさを憎んだ。
家に全部置いてきてしまったー!!
どうせ、すぐ戻るし、瑞樹が携帯を持ってくるし。と手ぶらであった…。
これじゃあ、誰とも連絡とれんじゃないかぁ!
一人、布団の中で悶絶し、ガバッと顔を出して、閉じられた襖障子を睨みつけた。