君がため、花は散りける
「「馬鹿か、お前は。」」
見事にハモった私達は、阿吽の呼吸というやつでハイタッチ。
「…な、何だよっ!?お前らが先に神隠しなんて言うからだろ!べ、べつに俺だって信じてねーし。」
「どーだか。正義の味方のカレーパンマンは馬鹿だからね。」
「愛と勇気だけが友達の、将来、年取って正義もクソもなくなって孤独死する予定だもんね。」
「それはアン〇ンマンだ!…って、違うし!あいつ、年取らないし!永遠の子供たちのヒーローだから。」
おいおい、純情ぶるんじゃない。そんな年じゃないだろうがアキレス・カレーパンマンよ。
「はぁ、別にいいよ。そうやって幽霊とか信じてない奴に限って、そういう事が起きた時に弱いんだ。」
はいはい。負け犬は陰から遠吠えしてくださいね。
「…あー、ジュースが飲みたいなぁ、正義の英雄、カレーパンマンよ。」
「あ、それなら私も。私、アロエジュースね。」
「えっ、どういう展開でそうなった!?行くわけないじゃん!俺、自分の買ってあるし。」
瑞樹と二人、揃って舌打ちをして席を立つ。
生憎、校舎の中に自動販売機はない。だから、公立は嫌なんだ。わざわざ食堂の外にある自販機で買わなきゃならん。
瑞樹と奴の陰口をぐちぐち…。
「全部聞こえてんだからなっ!!」
ぐちぐち…。
わざと、聞こえるようにしてんだよ。
「ちぇっ、ひでぇよな。凪原も高田も。」
ほめ言葉か?それは。有り難く受け取ってやろう。