選んだのは
「次、どこいこっか?」
訊ねながら美砂が振り返った先には、私がいた。
けど、訊く相手を間違えた、というように木下へと訊きなおしている。
私の意見は、別に要らないと……。
てか、私が意見を言う事のほうが珍しいしね。
「ねー、木下。次どこ?」
「腹、減らね? メシ行こうよ、メシ。な、紗智。いいだろ?」
意見を言わない私へ、なぜか木下が許可を得ようとする。
私は、さっきまで散々ビールを飲み、スナックを食べていたせいで、お腹なんて空いていなかった。
でも、私以外の四人は行きたそうな顔をしている。
だから、つい。
「いいんじゃない。ご飯。行こうよ」
なぜか、笑顔まで浮かべて応えていた。