Taste of Love【完】
(だったら、最初から浅見さんを呼んでくれればいいのに……)
「だいたい大悟が優しいのは取引相手だからですからね」
「ちょっと優しくされたからって、勘違いしてると困るのはあなたですよ」
ここまで言われると風香も言い返したくなる。
「私勘違いなんて……」
「じゃぁ、これからは軽々しく仕事相手の車になんか乗らないことね」
(この間の、見られてたんだ……)
風香が手に持っていた資料を、ミカが奪う。
「あっ……」
「これは私が、大悟に渡します。忙しいのでお帰りください」
(きっと、これ以上ここにいても仕方ない。浅見さんには後で連絡を入れることにしよう)
「それでは、お手数をおかけしますが、よろしくお願いします」
風香は頭をさげて、店を後にした。
「あぁ、今日はなんだかついてないな……」
とぼとぼと駅に向かって歩く。夕方の住宅街は子供たちの声やキッチンからのいい匂いで冬なのに暖かく感じた。
(くよくよしてても仕方ない)
寒風吹きすさぶなか、早足で歩く。間もなく駅につくというところで、グイッと肩を引かれた。
「だいたい大悟が優しいのは取引相手だからですからね」
「ちょっと優しくされたからって、勘違いしてると困るのはあなたですよ」
ここまで言われると風香も言い返したくなる。
「私勘違いなんて……」
「じゃぁ、これからは軽々しく仕事相手の車になんか乗らないことね」
(この間の、見られてたんだ……)
風香が手に持っていた資料を、ミカが奪う。
「あっ……」
「これは私が、大悟に渡します。忙しいのでお帰りください」
(きっと、これ以上ここにいても仕方ない。浅見さんには後で連絡を入れることにしよう)
「それでは、お手数をおかけしますが、よろしくお願いします」
風香は頭をさげて、店を後にした。
「あぁ、今日はなんだかついてないな……」
とぼとぼと駅に向かって歩く。夕方の住宅街は子供たちの声やキッチンからのいい匂いで冬なのに暖かく感じた。
(くよくよしてても仕方ない)
寒風吹きすさぶなか、早足で歩く。間もなく駅につくというところで、グイッと肩を引かれた。