Taste of Love【完】
◆キスとオランジェットの味
仕事納めを数日後に控えた日。
風香が真奈美に仕事終わりに呼び出されていた。
「で、どうして女ふたりでもつ鍋なの?」
目の前に準備された鍋を覗き込み風香は真奈美に尋ねた。
「コラーゲン取らないと。私たちもう若くないんだよ」
「そうだね、メイク落とさないで寝ると次の日最悪だもん」
「ねぇ、風香それって年齢うんぬんより、アンタの女子力の問題なんじゃない?」
「あはは。そうか……とにかく食べようか?」
店員が飲み物の注文をとるとともに、カセットコンロに火をつけた。
しばらくしてふたりの前にビールが届くころには、鍋から湯気が立ち上り始める。
「お疲れ、かんぱーい」
ガチンとジョッキを合わせると、ふたりとも勢いよくビールを飲んだ。
「真奈美、旦那さんは今日大丈夫なの?」
「あぁ、向こうも取引先と忘年会だって」
「じゃぁ、私は旦那様がいない寂しさを埋めるために呼び出されたってことね」
「まさかぁ、もう付き合いが長いから、一週間くらいいなくても何とも思わないわよ」
突き出しの里芋をほおばりながら、真奈美が言う。
「私はそれよりも、風香と三栖君のことが気になったから呼び出したのよ」
気の置けない真奈美との食事は楽しみだったが、初っ端から翔太の話を振られるとは思っていなかった。
「どうって……」
風香が真奈美に仕事終わりに呼び出されていた。
「で、どうして女ふたりでもつ鍋なの?」
目の前に準備された鍋を覗き込み風香は真奈美に尋ねた。
「コラーゲン取らないと。私たちもう若くないんだよ」
「そうだね、メイク落とさないで寝ると次の日最悪だもん」
「ねぇ、風香それって年齢うんぬんより、アンタの女子力の問題なんじゃない?」
「あはは。そうか……とにかく食べようか?」
店員が飲み物の注文をとるとともに、カセットコンロに火をつけた。
しばらくしてふたりの前にビールが届くころには、鍋から湯気が立ち上り始める。
「お疲れ、かんぱーい」
ガチンとジョッキを合わせると、ふたりとも勢いよくビールを飲んだ。
「真奈美、旦那さんは今日大丈夫なの?」
「あぁ、向こうも取引先と忘年会だって」
「じゃぁ、私は旦那様がいない寂しさを埋めるために呼び出されたってことね」
「まさかぁ、もう付き合いが長いから、一週間くらいいなくても何とも思わないわよ」
突き出しの里芋をほおばりながら、真奈美が言う。
「私はそれよりも、風香と三栖君のことが気になったから呼び出したのよ」
気の置けない真奈美との食事は楽しみだったが、初っ端から翔太の話を振られるとは思っていなかった。
「どうって……」