Taste of Love【完】
フロアに戻ってきた翔太とともに、今後の対応について宣伝課を交えて話をする。
バレンタインの企画もパティスリーアサミとのコラボ商品だ。そのまま話を進めようとする賛成派と、マイナスイメージを重視する反対派に意見が分かれた。
「ここに書かれていることが、嘘だろうが本当だろうが、それが問題じゃないんだ。こういう話が出てくる事自体、ツメが甘いんじゃないのか?」
大悟に対する批判に風香は反論する。
「これは、浅見氏の責任ではどうすることも出来ないことです。人気ゆえのやっかみととらえれば、逆に宣伝効果になります」
「こういう記事を書かれる隙が、彼にはあったんじゃないのか?」
「……そんな」
「第一、業界でも影響のあるこの雑誌の意見は無視することができない」
宣伝課の社員の様子に、それまで反論していた翔太も風香も押し黙る。
「わかりました、まずは浅見氏の様子をうかがってきます。それから話をするということでよろしいですか?」
翔太が話をまとめる。
「私が、話を聞いてきます」
風香は会議を終えるとすぐに、会社を飛び出したのだった。