Taste of Love【完】
電車から降りた風香は、駅からパティスリーアサミまで走った。
目的地に向かって走りながら、クリスマス間近の冬の日大悟がここを走って風香を追いかけてきたことを思い出す。
(浅見さんに限って、そんなこと絶対ない)
誰よりもスイーツに真剣に向き合っている姿を知っている。
彼がどういう気持ちでスイーツと向き合っているのか、彼のスイーツは人を幸せにできる。
風香は彼の作ったオランジェットが自分にもたらした変化は偽物じゃないと確信していた。
一刻も早く彼の元に、たどり着くように息が上がっても風香は走り続けた。
店に到着して、扉を開けようとするが鍵がかかっていた。
いつもはならば、閉店後も鍵は開いていた。
風香ははじめて、扉の横の呼び鈴を押した。
『……はい』
インターフォンからは疲れた様子の大悟の声が聞こえてきた。
「サニーエイト、結城です」
『何しに来た?……まぁ、いい。すぐ開けるよ』
するとすぐに、鍵があけられて中から大悟が顔をだした。
「よぉ、いらっしゃい」
そう言った、彼から強いアルコールの匂いがした。
「お酒、飲んでるんですか?」
「あぁ、お前も飲む?」
言いながら、キッチンへと向かう大悟の後を、風香は追った。
目的地に向かって走りながら、クリスマス間近の冬の日大悟がここを走って風香を追いかけてきたことを思い出す。
(浅見さんに限って、そんなこと絶対ない)
誰よりもスイーツに真剣に向き合っている姿を知っている。
彼がどういう気持ちでスイーツと向き合っているのか、彼のスイーツは人を幸せにできる。
風香は彼の作ったオランジェットが自分にもたらした変化は偽物じゃないと確信していた。
一刻も早く彼の元に、たどり着くように息が上がっても風香は走り続けた。
店に到着して、扉を開けようとするが鍵がかかっていた。
いつもはならば、閉店後も鍵は開いていた。
風香ははじめて、扉の横の呼び鈴を押した。
『……はい』
インターフォンからは疲れた様子の大悟の声が聞こえてきた。
「サニーエイト、結城です」
『何しに来た?……まぁ、いい。すぐ開けるよ』
するとすぐに、鍵があけられて中から大悟が顔をだした。
「よぉ、いらっしゃい」
そう言った、彼から強いアルコールの匂いがした。
「お酒、飲んでるんですか?」
「あぁ、お前も飲む?」
言いながら、キッチンへと向かう大悟の後を、風香は追った。