Taste of Love【完】
「ここまで出来る努力はしてきたつもりだ。だけど結局何かあると昔の話をこうやって蒸し返される。俺の作るモンの正当な評価なしにだ」
力なく語る大悟が、今日は小さく見える。
「なぁ、俺のつくるモンは誰かの為になってるか?」
下から見上げてくるその瞳は、いつもの自信にあふれたソレとは違っていた。
不安に揺れ動くその瞳に、大悟の気持ちが表れている。
不意に握られていた手に力が入った。
「俺が、作り続ける意味ってどこかにあるのか?」
風香は大悟の前に膝をつき、握られていた手の上から自らの手を重ねた。
そしてギュッと力を入れる。
「あります。少なくとも私は救われた。もう一生自分から進んで食べることがないって思っていたチョコを口にすることができた」
覗き込むようにして大悟の目を見る。
「スイーツを味わう喜びをもう一度、浅見さんが教えてくれました。私にとっては救世主です」
不安に満ちていた瞳に、光がさしたように見えた。
私は、思わず彼の頬に手を伸ばした。
「大丈夫です。浅見さんの作品はみんなを幸せにしていますよ。ほら私、今こんなに笑顔です」
今自分にできる精一杯の笑顔を浮かべた風香だったが、次の瞬間大悟の顔が近づいてきた。
力なく語る大悟が、今日は小さく見える。
「なぁ、俺のつくるモンは誰かの為になってるか?」
下から見上げてくるその瞳は、いつもの自信にあふれたソレとは違っていた。
不安に揺れ動くその瞳に、大悟の気持ちが表れている。
不意に握られていた手に力が入った。
「俺が、作り続ける意味ってどこかにあるのか?」
風香は大悟の前に膝をつき、握られていた手の上から自らの手を重ねた。
そしてギュッと力を入れる。
「あります。少なくとも私は救われた。もう一生自分から進んで食べることがないって思っていたチョコを口にすることができた」
覗き込むようにして大悟の目を見る。
「スイーツを味わう喜びをもう一度、浅見さんが教えてくれました。私にとっては救世主です」
不安に満ちていた瞳に、光がさしたように見えた。
私は、思わず彼の頬に手を伸ばした。
「大丈夫です。浅見さんの作品はみんなを幸せにしていますよ。ほら私、今こんなに笑顔です」
今自分にできる精一杯の笑顔を浮かべた風香だったが、次の瞬間大悟の顔が近づいてきた。