Taste of Love【完】
唇が触れるまで後少し……。
「ありがとう」
低く掠れた声で大悟が囁いた。そして次の瞬間には唇が重なる。
一度ふれるだけで、離れたがすぐにもう一度優しく重なる。
しかし、次に触れたと時には驚くほど深く、口づけられた。
拒否することも、もちろんできた。でも風香はそれをしなかった。
ゆっくりとベッドに押し倒された後、ブランデーの味のするキスを受け入れながら、風香は大悟の首に腕を回した。
(こんな浅見さん、放っておけない。彼が私にしてくれたように私だって彼の役にたちたい。それが今ならば……彼が望むようにしよう)
大悟の大きな手がニットの中に入ってきたとき、風香の閉じられた瞼の裏には屈託のない笑顔で笑う大悟の顔が映し出されていた。