Taste of Love【完】
「間違っても三栖サンには絶対言わないから。安心して」

「浅見さん…?」

いつもの彼らしくない言いかたに違和感を覚えた。

「同情してくれてサンキュー」

次々と大悟から出てくる言葉、ひとつひとつが風香を突き放した。

(同情って……私一言もそんなこと)

 すぐに思いを口にできないほど、風香は冷たい大悟の態度に動揺していた。

それに耐えきれなくなった風香は「失礼します」と告げると玄関へと向かう。

 その後ろを大悟が追ってくることはなかった。
 
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