Taste of Love【完】
「なんで、お前が泣きそうになってるんだよ」
「だって、浅見さんのスイーツがあんな記事で、穢されたままなんて私、私耐えらなかったから」
大悟の手が風香に伸びてきた。そして触れそうになった瞬間その手がとまった。
(……どうしたんだろう?)
「だからこのことは明日で解決だ。だからお前の企画への影響もないと思う。迷惑かけたな」
「迷惑って、浅見さんのせいじゃないですよね」
「それでもだ。心配をかけたことにかわりないだろう」
そう言ったかと思うと、目の前にあったノートを一枚破った。
そしてそれを風香に差し出した。
「これ……」
受け取って内容をみると、それはチョコレートのレシピだった。
「お前にやる。これでバレンタインのリベンジ三栖サンにしろよ」
驚いて顔をあげる。
「三栖サン、ニューヨークに行くんだろ?その前にちゃんと気持ちを伝えろよ」
「どうしてその話を?」
風香の質問に、大悟は立ち上がりマグカップを片付けながら答えた。
「さっき、事の顛末を説明するために連絡したときに聞いた。出発はちょうどバレンタインだって? ロマンチッ
クでいいんじゃねーの?」
(私が好きなのは、浅見さんなのに)
目の前の好きな人に、他の人への告白を応援されている。その事実が何を意味しているか風香にも理解できた。
(私もしかして、告白する前に失恋決定した?)
それでもなお、何か別に理由があるんじゃないかと思わずにいられない風香は、大悟に尋ねた。
「だって、浅見さんのスイーツがあんな記事で、穢されたままなんて私、私耐えらなかったから」
大悟の手が風香に伸びてきた。そして触れそうになった瞬間その手がとまった。
(……どうしたんだろう?)
「だからこのことは明日で解決だ。だからお前の企画への影響もないと思う。迷惑かけたな」
「迷惑って、浅見さんのせいじゃないですよね」
「それでもだ。心配をかけたことにかわりないだろう」
そう言ったかと思うと、目の前にあったノートを一枚破った。
そしてそれを風香に差し出した。
「これ……」
受け取って内容をみると、それはチョコレートのレシピだった。
「お前にやる。これでバレンタインのリベンジ三栖サンにしろよ」
驚いて顔をあげる。
「三栖サン、ニューヨークに行くんだろ?その前にちゃんと気持ちを伝えろよ」
「どうしてその話を?」
風香の質問に、大悟は立ち上がりマグカップを片付けながら答えた。
「さっき、事の顛末を説明するために連絡したときに聞いた。出発はちょうどバレンタインだって? ロマンチッ
クでいいんじゃねーの?」
(私が好きなのは、浅見さんなのに)
目の前の好きな人に、他の人への告白を応援されている。その事実が何を意味しているか風香にも理解できた。
(私もしかして、告白する前に失恋決定した?)
それでもなお、何か別に理由があるんじゃないかと思わずにいられない風香は、大悟に尋ねた。