Taste of Love【完】
「間違いなく、お前の味だ」

熱のこもった瞳で風香を見つめてそうつぶやいた大悟は、もう一度口づけ風香に回した腕に力を込めた。

そしてそのままソファにゆっくりと風香を横たえた。

離れた唇が、目じり、頬、耳と順番に口づける。

耳へのキスの後大悟が熱い吐息をかけながらささやいた。

「お前が好きだ」

大悟の甘い言葉は、風香の体の芯を熱くさせた。

鼓動が加速し痛いほどだ。

「私も浅見さんが好きです」

「俺の名前呼べよ。風香」

彼の作るどんなスイーツよりも甘い囁きが、風香の心も体も支配する。

「大悟……」

風香が頬を染めながらそう言うと、満足そうな顔をして大悟は風香の首筋に顔をうずめた。

「ア…んっ……」

「チョコと一緒にお前も味見させて」

「ハァ……っ」

大悟の手が風香の胸を優しく撫でた。


「あ、味見だけですか?」

すぐ目の前にある熱のこもった大悟の瞳を見て風香が尋ねる。

「わりぃ。嘘。味見なんかじゃ終われない」

覆い被さるように風香の首筋へと顔をうずめた大悟は、その大きな手のひらで風香のすべてを確認するようになでた。

あの繊細なスイーツを作り出す魔法の手が、今は風香を甘くとろけさせ、激しくうばったのだった。
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