Taste of Love【完】
「サニーエイトの結城です。浅見さんとお約束しているんですが……」
大悟を呼び出してもらうように、声をかけた。
すぐに呼びに行ってもらえると思っていたが、風香を頭の先からつま先まで見て顔をじっと見られる。
(……なんか、感じ悪い)
普段向けられないような視線を浴びせられて気分が悪い。
その女性は、年齢は風香と同じ歳か少し上に見える。
黒髪のショートカットが小さな顔にとても似合っていた。
黒目の大きな瞳でみられると、思わずたじたじになってしまう。
「あの、今日は一体どういう約束なんですか?」
親しみのこもらない冷たい言い方に驚くが、仕事でここにきているのだ。風香は「試作品を持ってきたんです」と冷静に答える。
「あんまり大悟の手を煩わせないでくださいね。はぁ……コンビニなんて仕事、どうして大悟うけちゃったんだろう」
(心の声が全部漏れてるけど)
自分が誇りをもってしている仕事をそんな風に言われて“カチン”と来たが、ここで何か言い返したところで、相手も自分も何の得もしない。
(なんでもいいから浅見さん早く呼んでよ)
レジの前で立ったまま気まずい思いをしていると、他の従業員がどうやら大悟を呼びに行ってくれていたみたいで、ひょこっと顔を出した。
大悟の顔をみて、心底嬉しそうな顔を風香はしてしまったのだろう。
その表情をみてレジの女性の顔に、ますます怒りの色がさすのを感じた。
大悟を呼び出してもらうように、声をかけた。
すぐに呼びに行ってもらえると思っていたが、風香を頭の先からつま先まで見て顔をじっと見られる。
(……なんか、感じ悪い)
普段向けられないような視線を浴びせられて気分が悪い。
その女性は、年齢は風香と同じ歳か少し上に見える。
黒髪のショートカットが小さな顔にとても似合っていた。
黒目の大きな瞳でみられると、思わずたじたじになってしまう。
「あの、今日は一体どういう約束なんですか?」
親しみのこもらない冷たい言い方に驚くが、仕事でここにきているのだ。風香は「試作品を持ってきたんです」と冷静に答える。
「あんまり大悟の手を煩わせないでくださいね。はぁ……コンビニなんて仕事、どうして大悟うけちゃったんだろう」
(心の声が全部漏れてるけど)
自分が誇りをもってしている仕事をそんな風に言われて“カチン”と来たが、ここで何か言い返したところで、相手も自分も何の得もしない。
(なんでもいいから浅見さん早く呼んでよ)
レジの前で立ったまま気まずい思いをしていると、他の従業員がどうやら大悟を呼びに行ってくれていたみたいで、ひょこっと顔を出した。
大悟の顔をみて、心底嬉しそうな顔を風香はしてしまったのだろう。
その表情をみてレジの女性の顔に、ますます怒りの色がさすのを感じた。